過去の成功体験に頼らない勇気

コラム

ランニングに限らず、初心者の頃ってどんな練習をしても上達しますよね。

この初心者の頃の経験が過去の成功体験として強く印象に残り、後の練習に対する考え方に強い影響を及ぼします。

私の場合、ランニングを始めた頃はとにかく急坂を全力で駆け上がったり、とにかく走行距離を伸ばしたり、精根尽きるまでインターバルをしたりしていました。ライバルより1メートルでも長く走る、インターバルをやれば全力を尽くして、終わると同時に倒れ込むような追い込み方をしてました。この時、私の5キロ(クロカン)のタイムは21:36から三年で17分を切るところまで到達しました。私のランニング人生で、この時ほど成長を実感しながらトレーニングできたことはありません。

しかし皮肉なことに、この時の経験が、「ランニングは頑張れば頑張るほど伸びる」という考えを私に植え付けてしまいました。このまま頑張って練習を続ければ16分切り、15分切りができるのも時間の問題で、全米選手権とかにも出場できるだろうと本気で考えていました。結果、オーバートレーニングで怪我を繰り返したり、シーズン開始時点ですでにピークを迎えており重要なレースでは全く結果が出ないなど、記録が伸び悩む原因となりました。記録も16:02と16分を切れないまま高校を卒業しました。

そして大学陸上部に入部してからもとにかくガムシャラに練習し、それが祟って二年目に膝を怪我して、走るどころか階段を歩いて降りることも辛い期間が一年以上続きました。ランナーにとって一番辛いのは、走れないこと。正しい上達方法を知らなかったがために、本当に苦い経験をしました。

他の人を観察してみても、私のように過去の成功体験にすがり続け損をしている人は多いと思います。企業などでも同じ事が言えるでしょう。「今までこの方法で成功してきた。これからもこの方法で間違いない。」そう考えるのは仕方がありません。私のように、セルフコーチングしている人は特に陥りがちな落とし穴です。怪我をするまではいかなくても、同じ事を繰り返していては頭打ちになる時期が誰にでもやってきます。

何事も伸び悩んでからが面白い。その壁を乗り越えるためには、過去の成功体験を一度捨てる勇気も必要かもしれません。

あなたの更なる成長にこの記事が少しでも貢献しますように。

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