私が高校生の頃は、週末によく地元のロードレースに参加していました。大抵は5キロのロードレースが大会当日飛び込み参加で20ドルくらいでした。最近では5キロでも$45とか$50とかするので、昔のように気軽に飛び入り参加できなくなったのはちょっと寂しいなと感じます。
ボストンマラソンの参加費は$230。世界最高峰のマラソンイベントとして高くは無いと思います。トライアスロンのアイアンマンなんかはこの数倍しますから。しかしボストンマラソン出走にかかる費用の中でレース参加費はごく小さな一部に過ぎません。
この記事ではボストンマラソン出走にかかる費用を調査したいと思います。ボストンマラソンの難関は、標準タイムをクリアする事だけでは無かった...
日本から参加する場合
こちらがざっくりとした概算になります。為替レートは計算を単純化するために1ドル150円に設定しましたが、この記事を書いている時点でのレートは1ドル149円なので現実的な数字になっていると思います。
概算の結果は、約60万円。もちろん他にもコストが発生することはありますので、これが最低ラインくらいに考えた方がいいかもしれません。
航空券
ボストン出走のコストで最も大きなものは航空券になると思われます。(概算表に載せた数字はグーグルフライトで見つけたものなので、実際は税金やら手数料やらが発生してこれより高くなる可能性もありますのご参考程度に)
これはJALの成田―ボストン直行便の価格です。乗り換え地点を増やしたり、違う航空会社を組み合わせる事でコストを抑えられる可能性はありますが、フルマラソンを走る前は極力旅の疲れを抑えたいもの。ここ時間と体力を買うと思って、無理に航空券のコストを抑えるのは避けた方が良いと思います。
ホテル
滞在日数や泊まる場所によって大きく変動するのがホテル代です。
滞在日数は、最低でも3泊4日は欲しいところでしょう。初日は恐らく土曜に到着、日曜でEXPOや興味のあるブースやイベントを周り、月曜にレース、火曜に帰路につく。これでもかなり詰め込んでいる方だと思いますが、世の中には一泊で済ませるツワモノもいます。レースの後にシャワーも浴びずに飛行機に乗るわけですから、想像しただけで脚を攣ってしまいそうです。
泊まる場所も本当に色々です。フィニッシュライン付近のホテル一泊千ドルとか恐ろしいことになっているので、ある程度離れた所を探すことになると思います。しかし、安いからといってすごい離れた所を選んでしまうと、交通の便が悪くて結局お金と時間を無駄にすることになりかねません。
スタートラインまでのバスもフィニッシュライン付近から出るので、可能な限りフィニッシュライン付近に陣を構えるのが無難です。
食費
ボストンの物価はアメリカの中でも高い方です。食費は一人一日100㌦くらいは見ておきましょう。これも何を食べるかによって多少上下しますが、せっかくボストンまで来てマクドナルド食べて帰るわけにもいきませんし、そもそもファストフードだってアメリカはそこまで安くないです。
レース前はできるだけ質の高い炭水化物が豊富に欲しいですし、レース後も質の高い炭水化物やタンパク質が欲しいところ。レース前は出来るだけ慣れない物は食べない方が良いと思いますのでお餅などを持参する事をおすすめしますが、レース後はせっかくなのでボストンならではの食べ物をお楽しみになられてはいかがでしょうか。ボストンはロブスターやクラム(貝)料理で有名です。
滞在中の交通費
アメリカは日本ほど公共交通機関が発達しておりませんが、ボストンは大都市なので公共交通機関だけでも都心部であれば移動が可能です。公共機関とウーバー等のライドシェアサービスやタクシーを使えば滞在中の移動は十分にカバーできます。
Massachusetts Bay Transportation Authority (MBTA)がボストンの電車やバスなどの交通機関を運営しています。ウェブサイトで路線や運賃の情報を確認できます。運賃は1-Dayパスが11㌦、7-Dayパスが22.50㌦なので、場合によってはこういったパスを事前に買っておくとスムーズです。
しかし日本でもそうですが交通機関というのは実際に使おうとすると絶対に分からないことが出てくるので、道順を尋ねられるくらいの最低限の英語は勉強しておきましょう。本当はこんなこと書きたくないのですが、アメリカ人は日本人ほど親切な対応はしてくれませんし、人種差別も全くないわけではありません。なので冷たい対応を受けるかもしれませんが、それはアメリカでの現状を経験していると思って頑張りましょう。
もし冷たい対応が心配なら、他のランナーに聞いてみるのがおススメ。ボストンマラソンに参加するランナーはそれっぽい恰好をしているのですぐにわかります。その人達だって現地の事には詳しくないかもしれませんが、もし答えが分からなくても一緒に困ってくれるでしょう。「ランニング」が共通言語であることに気付けるのも大きなマラソン大会の醍醐味です。
アメリカ国内から参加する場合
航空券の値段が変わるだけですが、やはり国内から参加する方が金銭面での壁は低くなります。
私は2泊3日の予定ですので、これより若干コストを抑えられますが、それでも大きな出費であるのは間違いありません。せめてホテル代をもっと抑えられるように、大会側でもうちょっと対処して欲しい...
コストを抑える方法
格安航空券を探す
航空会社や旅行会社のキャンペーンを利用したり、乗り換え地点を増やすなどの方法で航空券のコストを抑えることができる場合もあります。ただし上記の通り、レース前は出来るだけ体力を温存したいので、できれば乗り換えは多くても一回だけにしましょう。私の場合は2回以上乗り換えするような旅は目的地に着いた頃にはクタクタになっていまいます。可能であれば乗り換えを増やすのは帰路のみにするなど、工夫しましょう。
民泊を探す
Airbnb等を使って民泊を探すことで宿泊費を抑える事ができる場合もあります。ただし、アメリカの都市は少しずつ民泊に対する規制が厳しくなってきている上、みんな考える事は同じなのでマラソン大会前後は需要が高まり、価格が高騰します。民泊は意外と手数料を取られるので、場合によってはホテルより高くなります。
ルームメイトを探す
もしボストンマラソンに出場が決まっている同志がいるのであれば、ホテルの一室をシェアすることができます。ベッドが二つある部屋にすれば十分に可能な選択肢で、ホテル代を割勘にすることができます。安全上の懸念から、面識のないネットで繋がった人とルームシュアすることはおすすめしません。
できるだけ公共機関を使う
最近はUberなどのライドシェアサービスも驚くほど高くなってきています。デイパスを買って公共機関を乗り倒すことで交通費をセーブできます。しかし必然的に歩く距離も長くなってしまいます。大会前後は言うまでもなく脚にかかる負担を軽減したいものなので、必要な時は迷わずタクシーなどを利用しましょう。
まとめ
ランニングとは運動着とシューズがあれば始められるスポーツなだけに、ボストンマラソン出走にかかる費用はかなり高額に感じられます。標準タイムのクリア、そして軍資金の確保。ボストンマラソンに出走するランナーとは、あらゆる面でランニングにコミットした変態求道者と言えます。そのような求道者が集まるボストンのスタートライン。想像しただけでワクワクしませんか。他のマラソン大会とは一味も二味も違う経験ができること間違いなしです。
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