フルマラソンを走るのにもっとも適した気象条件は気温7~10度、無風、曇り、そして高めの湿度と言われています。
ボストンマラソンでもこの条件を満たす、もしくはそれに近い絶好の天気に恵まれることもあります。しかしその反面、大雨が降って優勝候補の選手が軒並みやられて無名の選手が優勝することもあります。(川内選手を無名と言っては怒られますが、当時は世界レベルでそこまで知られた選手ではありませんでした)
この記事ではボストンマラソンで起こりうる気象条件と、その対処法について解説します。
平均的な気象条件
マラソン大会が開催される四月半ばのボストンの気候は、最低気温の平均が5度、最高気温の平均が13度。マラソン大会当日は統計的にはマラソンに最適な気象条件が期待できることになります。
暑
最も最近の大会でとても暑いコンディションとなったの2012年で、その日の最高気温は30.5度まで上昇しました。その前は2004年も最高気温が30度まで上昇、さらに前には1987年でも最高気温が30.5度となりました。このように稀ではありますが、ボストンマラソンでは夏のようなコンディションになることがあります。
寒
1970年のボストンマラソンは最高気温が3度、雨あられが降る中行われたそうです。同じく3度の雨の中フルマラソンを走った経験がありますが、できれば二度とやりたくないです。
しかしそこまで寒くなる事はボストンマラソンでは珍しいようです。1970年以降、寒さが際立ったのは2018年の4度、しかも雨と強風というメチャクチャな天候でメディアの報道では「カオス」という言葉で形容されたレースでした。この年のボストンマラソン覇者(男子)が日本の川内優輝選手でした。
天気
ボストンでは4月に平均8日、雨が降る日があるようです。また強風が向かい風となって吹くこともあり、一筋縄ではいかないレースであることがわかります。トレーニングの段階から心の準備をしておきましょう。
悪天候の対処法
備えあれば憂いなし。天気が荒れることを予想して対策を持っておくだけで、レース当日に平常心を保つことができます。
暑い場合の対処法
暑いと当然ですがタイムが落ちます。毎年8月に開催される北海道マラソンが邪道とすら言われるように、暑い中を走るランナーには脱水症状や筋肉痙攣のリスクが高まります。かいた汗がちゃんと気化できるよう服装に注意し、レース前半からこまめに給水を取りましょう。ボストンマラソンではレモンライム味のゲータレードが給水所で貰えるので、水よりこちらをおすすめします。
人によっては帽子を被るなど、日焼け対策も効果があります。ただし普段から使い慣れていないのにレース当日にいきなり帽子を使うのはおススメしません。上記のゲータレードもそうですが、レース当日に使う可能性のあるものは練習で必ず試すようにしましょう。
寒い場合の対処法
寒いとあまり汗をかかないので脱水症状のリスクが減る反面、筋肉が強張り動きがぎこちなくなり怪我に繋がるリスクが増えます。しかしマラソン前はウォームアップに使うエネルギーも温存したいので、どうしてもスタート時は体が冷たい状態になります。いつもより念入りに動的ストレッチを行いましょう。
大きなマラソン大会ではよくある事ですが、レース中に着るもののみでスタート地点に行ってしまうと、スタートを待っている間に寒さに凍えてしまい無駄に体力を消耗してしまいます。おススメは他のマラソン大会でゴール後に貰った防寒シートを持参し、スタート直前(もしくはレース中)に捨てて処分する事です。ボストンマラソンではスタート待ちのエリアで不要な着物を地元のチャリティーに寄付することもできるので、寄付できる防寒着を着て寒さをしのぐこともできます。
雨や強風の対処法
雨や強風などに直面した時、まずやらなければならないのは目標タイムの調整です。強風の中でも目標ペースを守ろうとして走ってしまうと、必要以上に体力を消耗してしまい後半に失速する原因になります。雨で路面が濡れると走り方によってはふくらはぎに余分なストレスがかかったりするので、この場合も無理に抗わずにペースを落としましょう。天気が荒れた場合、重要なのはフィニッシュラインに到達することです。豪雨になっても走り続けることができれば完走できますが、冷たい豪雨の中ハンガーノックになって歩くのもやっと、しかも次のエイドステーションは数キロ先という状況になると低体温省などで命にかかわることもあります。
まとめ
全体的に暑い年が多い傾向がありますが、冷たい雨が降る年もあり、コンディションの予測が難しいマラソン大会です。こればかりは運任せですので、どんなコンディションでも対応できるように準備を怠らないようにしましょう。そしていざ劣悪なコンディションに直面した場合は設定した目標を補正し、無駄な体力を使わないようにしましょう。
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