たった一人の行動が集団全体の印象を決めてしまうことも!?「ランナーってマナーが悪い」と思われないために守ってほしいこと

コラム

どんな集団にもマナーをわきまえない輩は必ず少数いて、その人達のせいで全体のイメージが悪くなってしまう事があります。

例えばアメリカでは、ロードサイクリストに対する一般的な印象は「なんかマナーが悪い。」「車より全然遅いのに並走して車の交通を妨害している。」などがあります。しかし私もロードバイクに乗っていましたが、実際にマナーが悪いサイクリストはせいぜい全体の1割くらいかなと思います。それでもその1割の行動が全体に対する印象を決めてしまっているのは非常に残念なことだと思います。

ランニングも同じで、マナーを知らないとあなたの何気ない行動が全体の印象を下げてしまうことになりかねません。市民ランナーは走るのが速い事よりもまずはマナーが良い事の方が重要です。「ランナーってカッコ悪い」と思われることがないよう、まずはランナーとしてマナーを再確認しましょう。

普段の練習とレース

普段練習をする環境とレースでは勝手が違うので、ここで分けて説明したいと思います。

普段、練習する時の心がけ

歩行者優先

まず一番の基本として、歩行者の安全を優先しましょう。
狭い道を複数のランナーが横に並んで走るなど言語道断。
曲がり角などでは見通しが悪い場合はスピードを落とし、曲がり際にぶつかる可能性を減らします。
追い越す際は、歩行者とできるだけ距離を取って追い越しましょう。どうしてもすぐ横を通り抜ける場合は、「すいませ~ん横通ります」などと声掛けして追い越すようにしましょう。
無言ですぐ横を走り抜けてしまうのは、歩行者視線からすると意外と怖いものです。
特にヘッドホンで音楽を聴きながら歩いている人などは、急に横を走り抜けると叫び声をあげるほど驚くことがあります。この場合は声掛けしても気づいてもらえないことすらあり対処が難しいですが、せめて走りすぎた後で誤っておきましょう。

人が少ない時間帯を選ぶ

早朝など、そもそも人が少ない時間帯を選んで走るのが歩行者とのトラブルを避けるという意味では一番良いマナーかもしれません。これは生活環境によりますし、朝が苦手という人もいるので誰もができることではありませんが、朝活の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。

ただしまだ暗い中を走ったりする場合は、蛍光系のグッズや点滅するものを装着しましょう。大都会では夜中も真っ暗になるということはないかもしれませんが、それでも暗い中を真っ黒な服装で走るのはおすすめできません。

音楽は聴かない方がいいかも?

音楽やポッドキャストを聴きながら走るという人もいますが、個人的にはおすすめしません。車が近づく音や周りの人の声掛けが聞こえないと事故に繋がる可能性があります。

どうして何かを聴きながら走りたいという人は、耳をふさぐタイプのイヤホンではなく、骨電動タイプのヘッドホンにしましょう。私はランニングでは使いませんが、仕事や犬の散歩をする時なんかによく使います。耳を塞がないのでおすすめです。

Aftershokz製のものは私も使っていておすすめできます。(決してAftershokzの回し者ではありません)

レースでのマナー

レースでは走ることに集中できる環境を整えてくれているので、歩行者や自転車、車の交通などを気にせず思い切り走れます。ただし、レースではレース特有の守るべきマナーが存在します。

ごみは必ず持ち帰るかゴミ箱に

ドリンクが飲み終わった後のボトル、補給に摂ったジェルの入れ物など、走る距離が長くなるほどゴミが発生する機会が増えます。この時、ポイ捨てするのは止めてください。周りのランナーが何気なくポイ捨てしていても、あなたはやってはいけません。ゴミ箱に捨てるか持ち帰るのが基本です。給水所には必ずゴミ箱がありますので、利用しましょう。

ボランティアや応援してくれる人に感謝を伝える

レースを裏で支えてくれる人達の多くはボランティアでやってくれています。
沿道からは全くの他人であるはずの人達が声を枯らして応援してくれることもあります。

そんな人達に、できれば言葉で「ありがとうございます」と伝えましょう。
もし呼吸が追い付かないくらい追い込んで走っているなら、その場は感謝の気持ちを噛みしめて走り、レース後にできるだけ沢山の人に感謝の念を伝えてください。

協力してくれた人達も、やって良かったと思ってくれるはずです。

用は必ずトイレで足す

これは一般常識ですが、基本的にトイレ以外で用を足すのはマナー違反です。

しかしレース前は体が潤っている上に緊張感やカフェインなどによる利尿作用が加わり、やたらとトイレに行きたくなります。膀胱が破裂しそうで半分パニックになるのも分かります。このようなピンチを避けるために、スタート前のトイレの有無、スタート後のコース上のトイレの位置などをあらかじめ確認しておきましょう。スタート前にトイレが使えないようなレースに出場する場合は、コース上のトイレに到達するまで待てるように水分補給のペースを調整しましょう。

間違っても建物の裏などで用を足さないようにしてください。

給食は必要以上に取らない

これは他のランナー達に対するマナーですが、コース上やフィニッシュ後の給食は必要以上に取らないようにしましょう。あなたが欲張って余分に取ると、後続のランナーの分が無くなってしまうかもしれません。

スタートでは自分の適性位置を見極める

あなたが出場するレースでトップ争いができる実力があると自負しているのであれば、最前列でスタートするのも良いでしょう。ですが、その実力が無いのにレースになると興奮状態になり、最前列に並んでしまうランナーが後を絶ちません。その人達は最初の数百メートルで失速し、そこからはゴールまで後ろから来たランナーに抜かされ続けるという屈辱を味わうことになります。それだけならまだ良いですが、失速したランナーを抜かそうとすることで事故が起きることもあります。

スタート時は集団の中で自分の実力に見合った場所を探しましょう。周りのスタート待ちのランナーに挨拶がてら「今日の目標ペースは何ですか」と聞いてみましょう。そのペースがあなたの目標ペースよりはるかに速いようであれば、もっと後ろからスタートした方が良いかもしれません。

給水所では特に他のランナーに気を配る

給水を取ろうとして他のランナーとぶつかったり、うまくコップが取れなかったり、他のコップを倒してしまったりという事故が給水所まわりでよく発生します。給水を取る時は前後のランナーとの距離を確認したり、コップの受け渡しをしてくれる人とジェスチャーで確認しあうなど、なるべく事故を避ける行動を心掛けましょう。

もし心配であれば、ある程度の水分やジェルを自分で携帯しながら走るというのも選択肢に入れておきましょう。重くなる分タイムロスがありそうですが、給水所の混雑を避ける事でタイムが稼げることもあります。自分に合った方法を探してみましょう。

まとめ

この記事ではランナーのための様々なマナーを紹介しましたが、常識と気遣いをもって行動すれば自然と実践できることばかりだと思います。強度の高いトレーニングをしたり、レース当日などは自分の事で一杯いっぱいで周りに対する配慮が欠けてしまいがちですが、その場では世界全てのランナーを代表していると思って行動できるようになりたいですね。

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